
~硝子体手術と網膜前膜について~
こんにちは。皆様ご無沙汰しております。
9月は雨が続き、すっかり夏も終わってしまいました。インフルエンザも流行っておりますので、みなさま体調に気を付けてお過ごしくださいね。
さて、今回のブログでは、当院の得意とする、「硝子体手術」とその硝子体手術が必要となる代表的な病気である「網膜前膜」について診察室でもよくご質問いただく内容を中心に、できるだけわかりやすくお答えしていきます。
Q1.そもそも硝子体って何?

A.硝子体というのは、目の中にある透明なゼリー状の組織です。

硝子体や目の奥にある網膜に病気が起こると、視力が低下したり、ものがゆがんで見えたりすることがあります。
こうした硝子体や網膜の病気を治療する手術が硝子体手術です。
Q2.どんな病気で硝子体手術をするの?
A.代表的なものに黄斑前膜、黄斑円孔、網膜剥離、糖尿病網膜症、硝子体出血などがあります。

Q3.手術は痛くない?
A.基本的に局所麻酔で行うため、手術中に強い痛みを感じることは通常ありません。
ただ、触られている感じや、押されているような感覚を感じることはあります。
当院では手術中も声かけを行い、できるだけ安心して受けていただけるよう努めています。
Q4.日帰りで手術できるの?
A.病気の状態や全身状態などの条件が合えば、日帰りで手術を受けていただけます。
ただし、すべての患者さんが日帰り手術の対象となるわけではありません。
診察の上、安全に日帰りで行えるかを判断します。
Q5.手術のあとはすぐに見えるようになりますか?
A.手術直後は、かすんで見えたり、目がゴロゴロしたり、白目が赤くなったりすることがあります。
また、視力が回復するまでの期間は、病気や手術内容によって異なります。
「手術をすればすぐに元通り」というわけではありませんので、焦らずに経過をみていくことが大切です。
Q6.手術のあとは、うつ伏せが必要ですか?
A.網膜剥離などの手術で目の中へガスなどを入れた場合には術後にうつ伏せの姿勢をお願いすることがあります。
すべての患者さんがうつ伏せになるわけではありません。
Q7.仕事や飛行機はいつから大丈夫?
A.仕事に復帰できる時期は、手術内容や目の状態、お仕事の内容によって異なります。
特に、目の中にガスを入れた場合は、ガスが残っている間は飛行機に乗ることができません。
旅行や出張などの予定がある方は、必ず手術前にお知らせください。
続いて網膜前膜についてお話しします。
Q8.網膜前膜ってどんな病気?

A.網膜前膜とは、目の奥にある「網膜」の表面に、薄い膜ができる病気です。
網膜は、カメラでいうフィルムのような役割をしており、光を受け取って「見る」ために重要な組織です。
特に、ものを細かく見るために重要なのが「黄斑(おうはん)」という部分です。網膜前膜は、この黄斑の上にできることが多いため、「黄斑上膜」と呼ばれることもあります。

Q9.どんな症状が出るの?
A.代表的な症状は、
・ものがゆがんで見える
・視力が低下する
・ものが大きく、または小さく見える
・左右の目で見え方が違う
・細かい文字が見づらい
などです。

一方で、網膜前膜があっても症状がほとんどなく、健康診断や眼底検査、OCT(光干渉断層計)検査で偶然見つかることも珍しくありません。
Q10.なぜ網膜前膜ができるの?
A.加齢によるものが多いですが、糖尿病や目の中の炎症、眼の手術などが原因となって発生する場合もあります。
Q11.治療は必要?
A.膜による網膜の牽引が強く、視力低下やゆがみなどが日常生活に影響する場合には、手術を検討します。
網膜前膜があっても、症状が軽く、視力にも大きな影響がなければ、定期的に診察を行い、視力や網膜の状態を確認しながら経過をみていきます。
下の写真は当院の患者様のOCT(網膜の断面の写真)の画像です。

網膜の表面にできた膜が網膜前膜です。
網膜前膜が網膜を引っ張ることでスポンジのように裂けてしまう網膜分離という状態になっています。
この患者様は視力が低下していたため手術を行いました。
Q12.どんな手術をするの?
A.「硝子体手術」を行います。
目の中の硝子体を処理したうえで、網膜の表面にできた薄い膜を、非常に細い器具を使って丁寧にはがします。
手術によって膜を取り除くことで、網膜のゆがみが改善し、見え方が良くなることが期待できます。ただし、網膜の状態や病気の期間によっては、手術をしても完全に元の見え方に戻らない場合があります。
当院の先ほどの患者様の術後の写真です。

網膜前膜は除去され、網膜分離も改善しています。
網膜前膜は、進行の程度や症状によって対応が異なります。
「視界がゆがむ」「片目だけ見え方がおかしい」「以前より視力が落ちた」といった症状がある場合には、一度眼科で詳しく検査することをおすすめします。
当院では、OCTなどを用いて網膜の状態を詳しく確認し、お一人おひとりの状態に合わせて治療方針をご説明しています。
Q13.手術を受けるかどうか迷っています。相談だけでもいいですか?
A.もちろん大丈夫です。
「本当に手術が必要なの?」「もう少し様子を見てもいい?」「日帰りでできる?」など、不安や疑問があれば遠慮なくご相談ください。
手術を受けるかどうかを考えるには、まず現在の目の状態を知ることが大切です。
なぜ手術が必要なのか、どのような効果が期待できるのか、手術をしない場合にはどうなる可能性があるのかを理解したうえで、ご自身に合った治療を一緒に考えていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
硝子体手術について詳しく知りたい方、手術が可能か知りたい方は、まずはお気軽にご相談ください。
上述したように、硝子体手術が必要な疾患は他にもありますが、
次回は、当院でも緊急手術が可能な「網膜剥離」についてお話したいと思います。
木場駅前アイクリニック 院長
井出光直






